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社長 細田雅春メッセージ

設計事務所トップの視線2015 建築を変えるのも建築でしかない
スマートな働き方の実現目指す

−現在の社会情勢をどう見る。

 「21世紀に入り、世界各地でひずみが生じている。海外では戦争や民族紛争、日本では政治混乱が続き、社会全体に不安が渦巻いている状況だ。経済や福祉など個々の政策だけでなく、将来を展望した大きなビジョンを提示する時が来ている」
 「少子高齢化が加速する日本には豊かさを実感できるコンパクトシティーの構築が必要だ。医療・福祉サービスが充実し、多様なライフスタイルに対応したまちづくりが新しい産業構造や活力を生み出す。地域の個性や特徴を生かした建築・まちづくりに貢献していきたい」

−15年の経営方針は。

 「2020年東京五輪に向けて多くのプロジェクトが加速していく中、魅力的な建築や街をつくり、建築に対する社会の関心を高めたい。質の高い建築や街は都市の財産となり、そこに集まる人も増え、経済活性化や雇用創出につながる。それはやがて新しい社会へのきっかけにもなるはずだ。建築に関わる人間こそが社会変革への強い意識を持つべきだ。建築を変えるのも建築だ」

−力を入れる取り組みは。

 「10月の創立70周年も踏まえ、働き方を変え、所員の意識構造を変革するために、新たな環境づくりの方向性を共有化し、デザイン事務所らしいスマートなワークスタイルの実現を目指す。それには建設業界の生産システムの変革との連動という意味もある。他産業でITやロボット技術の導入が進む一方、建設業界は立ち遅れている。生産性を向上させる技術やシステムの導入に取り組んでいきたい」
 「国や自治体がさまざまな入札契約方式を試行しているが、建築の生産システムを見直す時期が来ていると思う。設計業務の独立性を保ちつつ、設計、施工、監理、継続的維持の各分野がよりスムーズに連携でき、相互のノウハウを共有しやすいECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式の導入なども働き掛けていきたい。社会システムが変化しつつある今こそ、建築の生産システム全体を再構築する良い機会だということを認識することが極めて重要だ」

−ここ数年、受注量が増加している。

 「毎年増加しており、15年もこの傾向は続くだろう。所員一人一人の質を高めることでデザインの質を確保していく」

−海外事業は。

 「現在、中国や台湾、ベトナムを中心とするアジアで事業を展開している。海外で仕事をする時は、国や地域の文化を理解し、ビジョンを共有することや土地に合った事業展開していくことが重要だ。15年は以前から親交がある中国・清華大との交流をさらに深め、互いの文化や考え方に対する理解促進や技術向上のきっかけにしたい」。

日刊建設工業新聞 2015年1月9日掲載



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